子育て疲れ”解消のヒント 精神科医・宮田 雄吾
vol.07 「遊んで攻撃」には先手必勝!
「ねえパパ遊んでよ!ねえってば!!」
仕事でヘトヘトになっているパパは、眠たい目をこすりながら心の底から願います。「日曜ぐらい寝かせてくれよ」。しかし、そのささやかな願いは、「日曜ぐらいはパパと遊ぶぞ」と気合の入った子どものパワーの前に無惨にも打ち砕かれ、遊んでも遊んでも満足することのない子どもの“遊んで攻撃”は果てしなく繰り返されるのです。
パパが日曜に休まないとどうなるか。翌週の仕事は散々な結果に終わり、会社の業績はどんどん悪化。ある会社は倒産し、株価は低迷、日本のGNPは5%ダウン。その結果、パパはクビになり一家は路頭に迷うでしょう。
さあそんなパパは、どうやったら子どもに満足を与えつつ“遊んで攻撃”のダメージを最小限に抑えることができるのでしょうか。
そのための作戦を一つ提供します。それは子どもから「遊んで」といわれる前に、パパから先に“遊ぼう攻撃”を仕掛けることです。
そして、一通り遊んで満足したところを見計らって、「よし、じゃあパパは休憩!」というのです。そうすると、子どもはいつもよりは短時間でパパを解放してくれます。
先に「遊ぼう」と誘われると、子どもはパパの“イヤイヤ感”を感じにくくなります。「パパも自分と遊ぶのは楽しいんだ」と誤解してくれやすくなるのです。ですから同じ時間遊んでいても、子どもの満足感が違うのです。どうせ遊ぶ羽目になるのです。それなら、いかに短時間で効率よく満足を与えるかを考えてみたいのです。
この手は夫婦でも使えます。「ねえ私のこと愛してるの?ねえってば」と妻にいわれてから面倒くさそうに「愛してるよ」と答えても、まったく妻には信じてもらえず、この不毛なやりとりは実りないまま延々と繰り返されます。
「愛してるの?」と聞かれてからでは手遅れなのです。やはり、こちらから先手を打つのがポイント。妻が期待もしていないであろうときを見計らい、表情を悟られぬように妻の背中に向かって、「おまえと結婚してよかったなあ」とつぶやく。これが技術です。
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